「あ……エリナ……!」

切羽詰まったような声で、彼女らしき名前を呼ぶ声が聞こえた。


視界の隅で何かが動いたような気がしたけど、あたしは彼女の手元から視線を動かせない。



「陸を返してよ!」

ハサミを握り締めた彼女があたしに向かって近づいて来た。


どこでもいいから逃げなきゃって頭ではわかってるのに、足が床に貼りついたように動かない。


あたしの髪を切るために、ハサミの刃が大きく開いた。



やだっ!!