「……どうしたの?」


「……いや、何でもない。そろそろ帰らないと。送るよ」


額にひとつキスを落として、先にベッドから出た大野くんは床に散らばった服を着ると、

「下で待ってるから」

と言って部屋を出た。



「……」

さっきの悲しげな表情が頭をから離れない。



どうしてそんな顔するの……?