まだ季節的に寒々とした講堂で、入学式が順調に進んでいる。 視界に入る人の中には、居眠りしている人もちらほら……。 あたしは、目の前の男の背中に視線を戻した。 入学式の席順も教室と同じ出席番号順。 だけど教室よりも縦長にセッティングされていて、優香子とは少し離れている。 まさか同級生だったなんて。 しかも同じクラスだなんて。 ──信じられない。 入学式のその日、学校でキスしてるなんて。