「家~?んーとねぇ...駅の近くのマンションよぉ~。加賀君分かるぅ?」




"分かるぅ"なんて聞いたけど、あそこらへんにはマンションが1つしかない。




「じゃあ、行きましょう」




そう言って私の腕を取り、歩いていく加賀君。




「ちょっとまってよぉ~」




辺りから"お持ち帰りか~"なんて声が聞こえる。


んな訳ないじゃん。




私24にもなって付き合ってる彼さえいないし


それにこの前、近所のまーちゃんには"おばさん"なーんて言われたし.....



お肌の手入れも頑張ってるんだけど.....ねぇ、




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「ほら、起きてくださいよ。家に着きましたよ」



「んぁ?ん~ありがと」




どうやらタクシーに乗ってから寝てしまったらしい。




「鍵出してください。あと、何号室ですか?」



鍵を出すように促され、カバンの中に手を入れて気がついた。





.......私、部屋掃除してないし。