ひどく困った顔をしながら、あいつは木に登ろうとし始めた。 無理だろ。 そのうち諦めたのか、ジャンプしだした。 ・・・そっちのほうが無理だろ。 「・・・・・っふ。」 思わず、笑っちまった。 だってさ、頑張りすぎだろ。 俺なんかのために家に忍び込んだり、パシリになったり、罵声を浴びせられたり・・・。 頑張る姿が、どうしてか笑えた。