赤い白ワイン

しかし私の質問は完璧無視されて、

「よーするに。
あんたは物好きってことだな」

と、彼は片方だけ口端を引き攣らせて、私の弁解という名の先ほどの華麗なる説明に対する皮肉解釈を述べた。

質問に対して無視されたことは微量にしか気にしていないが、彼の解釈に対して私の額の青筋がピクリと引き攣った。
だから一体、私の説明からどこをどうしたら、そのような解釈が出てくるのだろうか…。

「物好きってなあ…」

私は感嘆と共に煙を吐き、歪んだ口許の短くなった煙草をベッド脇のサイドテーブルの上に常時置かれているブリキの灰皿で押し消す。

本心かなり呆れていた。

助けてくれた相手に普通「物好き」だなんて言うか?
思っても言わないのが世間様の常識とやらじゃないのか。

そりゃあ、私だって少しお節介が過ぎたかなと思うけれども。
だからって、こうも面と向かって言われると特にこだわっていなくても反論したくなる。

「俺が物好きだと言うのか?」