「好きな気持ちは、黙ってても伝わらへんで?

俺もな、初めてオカン見た時恋に落ちてな?

誰にも取られたくなくて、ソッコー告白したで?

そん時オカンは高校生やったしな?

ライバルがどんだけいてるか分からんからな。

やから、恥を承知でデートに誘ってん」

「犯罪じゃん。」


俺のツッコミに笑うオヤヂ。


「せやな。
でも、好きな女を横から取られてみ?

あん時言うてたらって後悔しか残らへんねんで?」


「そうだけど…。
フラれたら気まずいじゃん。」


フゥ…っと小さい溜め息ついたオヤヂ。

「先の事ばっかり考えてたって、何も始まらんやろ?

フラれた時悩め。

後悔せぇ。

先の事気にするな。
俺の息子やろ?」


フフンと笑って、部屋を出て行った。