「え…な、なんか紀田くんに面と向かって言われると恥ずかしいっ!!」 赤くなっている顔を自分の手で覆う。 「今更何だよ!」 「じっ…じゃああたしはこれでっ」 ツッコむ山原なんて知らないふりで、くるりと背を向ける。 バタバタと音を立てて、ストーカー少女は逃げた。 …嵐は過ぎ去った様だ。 「ああ、行ったな」とパンを口に運びながら独り言。