ブルー・フィールド

 
 4人で歩いていると、中学時代の知り合いから声を掛けられたりした。

 俺とあーちゃんは水泳部だし、寺尾や高橋も学区は一緒。

 顔見知りがいるのは不思議ではない。

 が、大河原みたいな奴とは会いたくないがな。

 とそこへ

「あ、ヒロくんだー!」

 ……大河原並に、再会したくない相手女性部門第一位の声が聞こえてきた。

「ヒロくんって? 浅野君? 呼んでるよ?」

 寺尾さん、俺がわざと無視してるの気付いて。

「おーい、聞こえないの?」

 そう言いながら近寄ってくる声の主。

 メレオロン張りの神の共犯者を使いたいところだが、生憎俺は強化系。

「やあ! 私の記憶が確かならば……」

「なに料理の鉄人してるのよ、相変わらずだね」

 声の主はそう言って笑っている。

「浅野君の知り合い?」

 寺尾が聞いてくるが、あなたも多分知り合いですよ。

「ほれ、水泳部の大塚純子。覚えてない?」

 仕方なく紹介すると、寺尾は約10秒考えてから

「あ!! そうそう、純子ちゃんかぁ」

と思い出したようだ。

「ん?」

 反対に大塚はまだ気付かない模様。

「ほれ、一年の時にいた、寺尾由美。今同じ学校なんだ」

 ……同じく10秒後

「あ!! いたいた。寺尾さんね、うんうん」

 お互いに再会を喜ぶでもなく、何となく微妙な空間が発生したような気がするのは、気のせいだと思いたい。

「で? 今はこの子にちょっかいだしてるんだ?」

 いきなり何言い出す!

「え? 今は? ちょっかい?」

 寺尾も言葉の意味を理解できずにきょどっている。

「何? 浅野君、中学の時、もしかして……」

 あーちゃんが勘繰りを入れてくる。

「そうじゃなくて! こいつとは何の関係も無いから!」

「え〜、ヒロくんそれってひどくない?」

「ひどくないと言ってるんだから、ひどくないんだろ」

「そうじゃなくて!」

と爆笑バリの裏手ツッコミを入れてくる大塚。

 こんなやり取りを寺尾に見せたくはないが、芸人の血が……恨めしい。