ブルー・フィールド

 
 ペースが落ちながらも1000m突破。

 ついにkmで表示できる所まで到達した。我ながら自画自賛。

 しかしいくら自分を褒めようと、疲労の蓄積は止まらない。

 やべえ、息継ぎのタイミングが……2掻き1回にしないともたねえ。

 これやると先生が怒るんだよな。ちゃんと奇数で呼吸しろって。

 高橋みたいな初心者や体育の授業で見てる一般生徒の息継ぎは、見ていてスマートじゃないな、とは思う。

 あちらの場合は顔を上に上げすぎてるってのもあるんだけど。

 クロールの呼吸では、立っている体勢で言うあごを引いた状態にした方がいい。

 身体もぶれないし、腕を回す回転半径が小さくて済むから。

 斜め上を向くような角度にすると、それだけ下半身がぶれるのと、腕の回転半径が大きくなり、当然スピードが落ちる。

 水を飲まないように、水面よりも顔を上げたくなるのは分かるが、慣れればあごを引いていても全然問題は無いしね。


 1200mに差し掛かる頃、少し前にいっていたはずの6コースが視界に入ってきた。

 これは、6コースのペースの落ち方が相当、という事だろうか?

 7コースの奴もペースは俺より遅い模様で、すれ違う位置が、引き離している事を教えてくれる。

 これなら少なくとも最下位は免れそうだ。

 いくら完泳しても、やっぱり最下位はかっこ悪いから免れたい。

 6コースが視界に入った事が俺の闘争心に火をつけた!

 が、水の中だけに直ぐ消えた……。

 いや、闘争心は燃え上がっても、体力が追いつかない。

 手足を早く動かそう、としても、もう神経が繋がっていないんじゃないか? というくらいに言う事を聞かない。

 言う事を聞いてくれてるのはターンの時ぐらいか。

 それでも徐々に近付いているのは分かる。

 入賞争いには関係ないけど、やっぱり1つでも上に行きたいのは本音。

 ホントはこの組でトップなら、総合順位一桁確定、運が良ければ入賞できるんだが。

 さすがにそれは無理だろうから。