結局、寺尾はそのまま2位でゴール。
タイムは、1分07秒4、か。
俺のバッタより早いのは当たり前だが。
「ベストっていくつだっけ?」
あーちゃんは一応これでもマネージャーだから、部員のタイムは把握して……いるよね?
「んっと、由美のベストは1分07秒1だから、ちょっと足りなかったね」
足りないって言い方おかしいだろ?
「浅野君の応援が足りなかったからだよ!」
そんな責任転嫁聞いた事無いぞ。
そうして順に各部員が自分の種目を消化していく。
俺の100mバタフライは特記する事も無く終了。
「え? 自分の無様なレースは黙ってるんだ?」
あーちゃん、うるさい!
いいんだよ! 俺はこの後の1500mに体力温存してんだから。
「浅野君、頑張ってね」
寺尾に言われると頑張ろうという気になるのは、やっぱりあれか? あれだろう。
ん、あれって便利。
と言うことで100mバタフライに引き続いての1500mフリー。
俺の出たバッタの組は予選1組目……いや、鬱になる気は無い。初めてなら、そんなもんでしょ。
男子は7組あり、女子のは6組あったから、休憩時間としては50分〜1時間。
移動を差っ引いても30分は休憩できるから、少しは楽だが。
バッタの予選は昼1時くらいから始まる。
さすがにそんな時間だと、レース前に昼飯は食えない。
レース前に何か食べるなら、11時には食べ終わらないといけない。
バッタのみなら、昼飯はレース後に食べればいいが、俺は直ぐに1500mフリーがある。
当然、その間に食事なんてできないし。
かと言って11時に昼飯もないしなあ。
軽く食べたが、なんかイマイチ満足感が得られない。
呼び出しを受けて、控え選手用のテントまでいく。
受付を済ませてベンチに座ると、屈強そうな生徒や貧弱そうな生徒が横に並ぶ。
みんな緊張してるや。
俺は記録とか何にも気にしてないし、完泳できればいいんだから気楽だ。
