とりあえず、罰ゲームの一つであろう、パスタおにぎりは終わった。
ってか乾麺パスタなんて食えねーよ。口の中切ったかもしんない、ひりひりする。
「わさび入り食べてくれればよかったのにね~」
あーちゃんはニヤニヤしながら言うが、その口調からすると、自分には回ってこないとの確信があるのか?
ちょっと観察してみるか。
ただガン見しすぎて警戒されても困る。警戒だけならまだしも、要らぬ予想、あーちゃんに気があるとか、Tシャツの下をどうとかいう妄想をしている、とか思われるのも癪だから、あくまで、秘密に隠密に勘付かれぬ様に。
1回目は俺のパスタ以外は皆普通のおにぎりを当ててるらしく、美味しい美味しいと食べていった。
満を持しての2回目のトランプゲーム、あーちゃんが2番手、俺は5番手、由美は6番手。
あーちゃんがおにぎりに手を伸ばす、そこには躊躇がない。もしかして?
次にあーちゃんの表情を追いかけてみる、3番手の妹北田、4番手の馬場が手を伸ばす様子を見るあーちゃんの様子を見る。
ふう、なるほど、あのあたりに爆弾が有りそうかな?
「どうしたの、浅野君、早く」
不敵な笑みを浮かべながら、あーちゃんが早く、早く、と急かす。
俺は真ん中の弁当箱の真ん中のおにぎりに手を出しながら、あーちゃんに気づかれぬよう、おにぎりを見ている振りをしながらあーちゃんの表情を伺う。
あーちゃんの表情がワクワクドキドキ、やってやったぜ! って表情に変わった。
あーこれが爆弾か。とすっともう一個奥のおにぎりに手を移動する。
もちろん、あーちゃんの表情はがっかり、残念、この根性なし、へと表情が変わっていった。
つか根性なしってなんだよ。
誰も食いたくないだろ、わさび入り爆弾おにぎりとか。
当然手にしたおにぎりは…ん?
パスタではないし、わさびのツーンとくる匂いもないが。
というか、むしろ芳醇な、いつも正月に嗅ぐいい匂い。
だが、それは塩気のついたおにぎりには似つかわしくない。
この匂い、この味。
「かつお節にぎりとか何なん?」
