「で、順番ってどうするんだ?」
まあじゃんけんだろうが、一応確認。
「トランプ持ってきたから、それで決めよ」
妹北田が上半身をひねり、自分のかばんへと手を伸ばした。
一連の動作が淀みなく流れる、これって最初から仕組んでたんだろうな。
「じゃあ1から6までで、1引いた人から順番に食べましょ」
妹北田は明るく言い、あーちゃんもノリノリな表情をする。が、由美はちょっと心配そうな、いや、罪悪感があるような曇った顔つきだ。
「どうした?」
由美に近寄り、小声で話しかける。なんか恋人っぽい。あ、そうなったんだった。
「だって、わさび当たったら食べられないよ~」
あ~はいはい、そうですね。それを作ったのはあなたたちですけどね。
って、もしかしてあーちゃんと妹北田は、自分に当たったら、とか考えてないのか?
「まあ当たっても食べないですむようにしてやるから、安心しろ」
お、俺かっこいい事言ってる?
でも、中身分からない様にしてあるから、一口は食べなきゃならないんだよな。
「はい、準備できたよ。みんなトランプ取って」
仕切り屋あーちゃんの声に反応し、皆一枚づつトランプを手に取る。
俺の数字は3。初回はおにぎりの数も多いし、何番目でも大差ないだろう。
あーちゃん、木田と続き、俺の番になる。適当に1個取ると気に留めない素振りでぱくっと食いつく。
とここまでは俺の計算どおり。大体においておにぎりの具と言うのは中心部にあり、また、それほど大きくはない。
それに対して俺の一口は常人より大きく、大体の場合、具の一歩手前まで食べることができる。
一口分を無くしたおにぎりの断面を見れば、中身が何かは分かるはずだ。・・・ったが。
『バリッ!』
乾麺にそのまま噛り付いた時そのままの砕いた音。
「なんでパスタ茹でずに入れてんだよ!」
