ふと見ると寺尾のスカートがめくれ上がって、あと少し! な状況。
「つか、スパッツとか履いてないのか?」
だからといって普通に見せる様な、羞恥心の無い子にはなってほしくないが。
「別に猫を助けに木に登ったりしないから、履かなくてもいいも〜ん」
そんなヒナギク的なボケをかまさなくても。
「浅野君は、そんなに太もも見たいの?」
いつもと口調が違いますね? 酔っ払いですか。分かります。
「ちょっと。私の由美に変なことしないでよね!」
あーちゃん? あなたの前にも空になった缶がころが……握りつぶされてますね。
「いやいや、俺は何もしてない。見ていただけだ」
その見ていただけが問題だろうが、酔っ払いには分かるまい。
「ちょとこち来なさい!」
相当酔ってますね「っ」が抜けてます。
「で? 浅野君は由美のことどう思ってるの?」
うわ酒くせぇ!
「はいはい、酔っ払いはいいから、ってか肩痛いから掴むな!」
っとに、酔っ払いは力加減知らないから。
まだ肩凝りする歳じゃないって。
「へ〜浅野君と寺尾ちゃんはそう言う関係なんだ?」
妹北田が話しに加わってくる。
……ピンクのパンツが丸見えですが、気にしないのも酔ったせいですよね?
『バシーン!!』
「いってぇから、あーちゃんの本気のビンタ!」
「先輩、いいんすか? これ」
俺の飲む缶が5本目に差し掛かるころ、もはやまともに話が出来るのは兄北田だけ。
「いいんじゃないか? 年に数回くらいはハメ外しても」
数回も?
「去年は顔合わせっつって始まって、プール開き記念、初大会参加記念、夏休み強化合宿、3年生引退記念、体育祭と文化祭の打ち上げ、あとは……」
「もういいです。分かりましたから」
事あるごとに宴とか、どんな悪魔の実を食べるんだか。
「安心しろ、今夜は泊まらせてもらえるから」
いや、心配なのはそこじゃないし。
まったく、酒好きばっか集まって、大丈夫なのか?
