フリーとブレストが終わると、競技の進行が急速に早まる。
というのも、中学生のバック、バッタの200mは出場者が少なく、一発決勝になるからだ。
高校生も、男子はバック、バッタ共に予選があるが、女子はバックのみで、バッタは一発決勝。
その後は中学生のフリーの長距離、男女共800mがあり、高校生のフリー長距離、男子1500mと女子800mになる。
1500mの出場者に呼び出しが掛かるのは、中学生女子800mが始まる前ぐらいになる。
「浅野君も大変だね」
いきなり部長が同情するような目で話し掛けてきた。
「まあ1500m泳ぐのは、誰でも大変ですよ」
初心者ならまだしも、中学からの経験者なら、距離は問題無い。
スピード、タイムは別腹だが。
「そうじゃなくてさ。彼女が決勝レース出るのに、彼氏が入賞も出来ないなんて、恥ずかしいでしょ」
……いや、部長程の負けず嫌いじゃないから、別にいいんですが。
つーか、彼氏だ彼女だ言われる方が恥ずかしい。
「あ、けど、これで2人が入賞したら、おめでたい事の二重奏?」
だ〜か〜ら〜、こっ恥ずかしいから言わないで下さい。
「けど、そうなると、久々の入賞者が、天然ボケと人工ボケのボケボケカップルですよ」
あーちゃんは友達をそこまで言い切りますか。
「そっかぁ。それはそれで問題ね」
部長も納得しないで。
しかしあれだ。部長の言う通り、入賞は別としても、ぶざまなレースはできないよな。
理由はどうあれ、由美はベストタイムをたたき出した訳だから、俺もそれに続かないと。
「ところであーちゃんに質問なんだが」
「何? 誕生日なら、2月22日だけど」
いや、あーちゃんの誕生日なんて聞いてないし、興味ないし。
「1500mには何人出場するんだ?」
