そろそろ行かないと、本当にヤバいかな。
「9時を過ぎたな。これ以上遅い時間は、てら……由美にはまだ刺激が強いと思うが」
何の事か分からない由美が、アイコンタクトをしてきた。
「この公園はな、10時頃になると、大人の男女が愛しはじめる公園でもある」
別にノゾキをした訳じゃないが、まあそんな噂話だ。
想像したのだろう、由美はまたまた顔を紅らめ……周りを見渡す?
「興味あるのか?」
ホモ以外の男は興味有って当たり前だが、女の子はいつくらいに興味をもつのか。
少なくとも今の由美は、まだ興味津々で覗くよりも、興味を持つことを恥ずかしがるくらいだと思うが。
「べ……別に……興味なんてないもん!」
まあツンデレっぽい口調だが、やはり興味を持っていると思われるのが恥ずかしいだけだな。
「よし。では送ろう」
そうして二人で立ち上がった。
しかし、この先を期待できるのは何時になるんだろう?
帰り道、明日の大会や、学校でのたわいもない話しをしながら歩く。
普段から並んで歩くのは多かったが、改めてこうして歩くと、小さいのを感じる。
「それでね、その時に……」
由美は話しをするのに夢中というか、楽しそうに話している。
俺はその話し振りを見て楽しんでいる。
俺の視線に気付いたのか、由美が話を途中で止めた。
「どうしたの?」
そう聞かれたが、いや、特に何もどうもしていないが。
「いや、やっぱり小さいな、と」
「なによ〜いきなり。これでも……」
これでも?
「とりあえず縦には大きくなっていないと思うが? もしかして横か?」
「そんな事ないですよ〜だ」
だよな。まあスタイルは良いし。
若干肉付きは無さ過ぎる気もするが。特に大事な部分とかだが。
「これでも身長伸びたんだよ」
「そうか? そう変わらない気もするが。何cm伸びたんだ」
「……1cmくらい……」