ブルー・フィールド

 
「じゃ二年は俺から。二年のキャプテンをやってる北田修。専門はフリーだけど、メドレーではバッタ(バタフライ)もやる、かな」

 見た目一番体育会系の先輩。身長があるのもそうだが、何より声が大きい。

「俺は朝倉祐介。専門はブレストだ、よろしくな」

 1年上とは思えない童顔さ。まあ成長期の違いもあるだろうが、並んだら俺の方が上級生に見えるのかも。

「近藤茂。専門はバック。よろしく」

 短く要点だけの自己紹介をしたのは近藤さん。

 怒ってるとかじゃなく、あまり喋るのが好きでないらしい。

「井上正志です。んと専門はブレストなんやけど、リレーやメドレーん時はフリーやってます」

 ちょっとイントネーションが違う先輩。一時期関西にいたとかで、ごっちゃになっているらしい。

 本人曰く、いんちき関西人、だとか。

「えっと、飯島鳴海です。専門はフリーですけど、メドレーではバッタやってます」

 続いて二年女子の自己紹介の先頭。

 飯島先輩はパッと見、高校生には見えない、もっと年上に見える。老けているというよりは大人びている、というか。

「瀬戸悠子です。専門はブレスト、かな。ま言われれば何でもやるんだけどね」

 村山の飼い主、瀬戸先輩。一体どういう関係なのか、村山はなかなか教えてくれない。

 そんなに言いにくい関係なんだろうか?

 まぁ飼い主とペットというくらいで、瀬戸先輩からはどこか女王様気質を感じる、のは先入観があるからだな、多分。

「三村陽子です。専門はフリーです。仲良くやっていきましょう」

 二年生の中で一際目立つ美貌の持ち主。

 というか、水泳部で腰まで伸びたロングヘアってどうなん?