ブルー・フィールド

 
 ターンの時が横を見るチャンス。

 4コースは俺より早いだろうから1、2コースを確かめよう。

 ふむ、2コースはちょっと後ろぐらいかな。

 1コースは影も形も見えないから、相当離れているんだろう。

 これなら最下位は免れそうだ。

 それはいいけど、そろそろ疲れが出てきたな、やばい。

 バッタの場合、他の種目と違うのは、疲れて腕が上がらないと息継ぎが出来無くなる。

 バッタの息継ぎは、顔を水面と水平に上げてするんだが、腕が上がらないと顔も上がらない。

 そうなると、初心者の時は顔を水面に垂直に、進行方向を見る形になる。

 この息継ぎの仕方は、周りから見ると溺れている様にしか見えない。

 もちろん泳ぎが崩れる訳だから、タイムが落ちるどころか、ほとんど前に進まない。

 結果、その場で泳ぎ終わる、というのが、バッタ初心者にはよくあるケース。

 結局バッタだろうが何だろうが、体力がなきゃダメなんだろうな。

 恵まれた体格に産んでくれた母親に感謝だ。

 と、考えているうちになんとか75mライン通過。

 疲労を感じていても、まだ泳ぐには支障ないからいいが、ペースを上げるのは無理かな。

 ペースが落ちないように、今のペースを維持するのが精一杯。

 と踏ん張って泳いでいると、ラスト5mラインが見えてきた。

 スパートをかける余裕なんてある訳がない。

 そもそも100m泳げるだけで、きちんとバッタを練習している訳じゃないから、スパートをかけようにもどうかけたら良いか分からない。

 無駄に手足を早く動かしたところで、多分バタバタするだけで、スパートにはならないだろう。

 逆にバランスを崩して遅くなるのがオチだ。

 熟練選手なら、その辺りの力具合は分かるんだろうが、生憎まだ正式にやり始めて1ヶ月。

 そんな装備を買える程のゴールドは貯まっていない。

 とか考えているうちにゴールに着いてしまった。