ブルー・フィールド

 
 男女共、100mバタフライは予選は3組ずつ。

 俺や飯島先輩は、当然1組目だが、大塚は3組のしかもセンター付近のコースだろう。

 県予選と違い、エントリータイムが俺より遅い選手がいたらしく、コースは3コースになっている。

 1組目は7人でレースを行うが、他のコース、知らない顔ばかりだな。

 しばらくしてコースへ呼び込まれる。

 今日は夏らしく、日差しが痛いくらいに強い。

 前のレース、中学女子の予選最終組がターンを終えて戻ってくる。

 決勝レースでは前のレースが終わるまで控えで待つのが普通だが、予選では前のレースがある程度進んだら、直ぐにコースへ呼び込まれる。

 時間短縮の為だ。

 中学生達が順にゴールし、選手達がプールから上がってくる。

 と、3コースの子は見た事あるぞ?

「あ! 浅野先輩じゃないですか!」

 ああ、小林菊美、だっけ。北中女子部の現・部長のはず。

「頑張ってくださいね!」

「ああ、お疲れさん」

 小林は軽く首を捻りながら、通り過ぎていくが、何かおかしいのかな?


 全選手がプールから上がり、役員が俺達に飛び込み台へ進むように促す。

『位置について

ヨーイ

……』

 ザッパーン!

 あ、フライングが出たよ。

 1コースか。と、4コースもいったな。

 1コースは多分純粋にフライングしたんだろうが、4コースはフライングを見越して飛び込んだんだろう。

 止まりきれない場合もあるが、少しでも水に慣れる為に、フライングと分かった時点で、悟られないように飛び込む。

 気持ちは分かるが、市大会の予選1組でそれをやるのはどうかなあ?


 全国大会や世界クラスの大会では、飛び込み台にフライングセンサーを仕込んで、フライングでもそのままスタートさせ、レース後に失格させられるらしい。

 しかしここは県営プール。そんな高性能な機器をつける予算は無い。

 以前からのルール、1回目のフライングはスタートやり直し。

 2回目は必ずスタートし、フライングした場合はレース後に失格を言い渡される。

 レース後というのは可哀相だよなあ。