「細かい事は気にしないの! 今回は悪いけど、村山君は外れてもわらないとね」

「ふむ。という事は、あれか。男絡みか?」

 こんな井戸端おばちゃんでも、一応思春期の女子高生らしさはあるみたいだ。

「ん、まあ、そうよ! 悪い?」

 これがちまたで噂の逆ギレですね。

 いや、あーちゃんはしょっちゅうキレてるか。

「浅野君以外に、2人、男の子を呼んでいるのよ」

「そんな普通に言われても、その2人は俺の知り合いなのか?」

 人見知りする訳ではないが、やはり初対面の、特に野郎とは、和気あいあいと遊ぶ気にはなれない。

「知り合いよ。馬場君と木田君を呼んだの」

 ……馬場? 木田?
 
 馬場は確か、最初の方に出てきたキャラだな。

 ロリコン系の危ないランキング持ってた奴だな、たしか。

「馬場はいいとして、木田って誰だ?」

 俺の問い掛けに対し、何故か固まる妹北田。

「浅野君の中学の同級生だよ?」

 ……ああ、木田も序盤にいた登場人物だったな。

「木田君って誰?」

 そうか、寺尾は木田と面識ないか。まあ知らなくて、日常生活には何の影響もないが。

「一言で説明すれば、入学早々妹北田のメアドをGETしながらその後捨てキャラになりつつもその設定のお陰で次の章に再登場できるラッキーな捨てキャラだ」

「全然一言じゃないよ〜。捨てキャラとか意味わかんないし〜」

 ん? 句読点無しで言ったから、一言でいいはずだが。

 と、妹北田が何やら不満げだが?

「ちょっと。人の彼氏を捨てキャラ扱いしないでもらえませんか」

 なにーーー!!

「彼氏だと! いったいいつの間に?」

 木田とは朝の電車でよく話しをするが、未だかつてそんな話しは聞いた事がないぞ。

「この前コクられたの。で、今度初デートしよう、と思って、それを……」

「寺尾、木田の説明に追加だ。どうやら奴は女の子を見る目がない」

「どーゆー意味よ!」

 妹北田は怒るが

「そんな姿を見せられている立場からすれば、自然と出てくる結論だが?」