ブルー・フィールド

 
「ああ、多分耳には入った。しかし、それだけの話しをするのに、わざわざマックへ寄るか?」

 歩きながらでも十分終わるだろうに。

「もしかして、話はどうでもよくて、マックポテトを食いたかっただけだな?」

 寺尾ならまだしも、妹北田ならやりかねない。

「ちょっと! そんなに食い意地はってないわよ!」

 そんなに、って事は、多少は食い意地がはってると自認しているんだな。

「まったくもう。せっかく話ししたのに」

 妹北田は怒りながら、残りのポテトをがぶがぶと頬張り始めた。

 その姿を見れば、食い意地が張ってると思うのは普通だ。

「まあ、そういう事なら、先輩には悪いけど、仕方ないわよね」

 あーちゃんがそう言うと、場が終まる気がするのは、やはり仕切り屋の貫禄か。

「あ、美樹ちゃん。どうせだし、あの話もしちゃおうか?」

 ん? 何の話だ?

「そうね。なかなかこの4人になる機会無いしね」

「ねえねえ、何の事なの?」

 寺尾は知らないのかな?あーちゃんの制服の脇を摘みながら尋ねる。

 一緒に肉まで摘まないようにね。

「ほら、今回は勉強会になっちゃったけど、元々は遊びに行く話しだったじゃない?」

 ああ、そういえばそうだった……か?

 大元は俺と寺尾のデートだったはずだが、どこかで誤変換されたらしい。

 やっぱりソフトウェアは、常に最新版にアップグレードしとかないと。

「でも大会も近いから、遊びに行く時間がないんでしょ?」

 寺尾の割りには、ちゃんと覚えていたらしい。

「市大会と市民大会の間は結構開いてるし、夏休みだからね」

 言わんとするところは解らなくはないが。

「その話しなら、この4人だけじゃなくても、問題は無いはずだが?」

 どんなメンバーになるにしろ、男が俺一人では、ハーレムラブコメやハーレムエロゲーの世界になる。

「ちょっとね、今回はメンバーをちょっと替えようと思って」

「メンバーを替えるも何も、どこかへ行くのは初めてなのにか?」