ブルー・フィールド

 
 という事で、勉強以外の収穫の方が多かった勉強会を終え帰路に着く。

 昨日と同じく、女性陣3人と駅まで歩く。

「まさかあんな話があったなんてね」

 村山邸から十分離れた所で、あーちゃんが口火を切った。

「けど、瀬戸先輩も北田先輩の事、嫌いな訳じゃないわよね?」

 だろうな。でなければ、あんなに仲良くはしないだろうし。

「というか、あの北田先輩がフラれて落ち込んでいた、というのが、信じられんがな」

 いつもはおちゃらけたり、おちゃらけたり、おちゃらけたりしてるのに。

「けど、フラれた頃のお兄ちゃんは、ホントに酷かったからね」

「へえ。どんな風に?」

 あーちゃんはホントに井戸端おばちゃんがよく似合う。

 一方、聞かれた妹北田は、勝手に喋るのはまずいと思ったか、悩んでいる。

「どうせ話すなら、マックでも寄らない?」

 なんだ、喋る気満々じゃんか。

「そうだね。じゃあ浅野君、よろしく」

 あーちゃんの言うよろしくって言うのは……。

「今日はポテトとコーラだけでいいからね」

 つまり会計をよろしく、という意味か?

「浅野君、サンキュー。それならゆっくりと話できるね」

 どうやら妹北田はポテトとコーラで兄の情報を売るらしい。安い兄妹愛だな。

「ってか、俺は別に聞く気は無いんだが」

 昨日話を振ったのは俺だが、情報料を払ってまで聞きたいとは思わない。

「え〜そんなあ〜」

って寺尾さん? そんなに井戸端おばちゃんずに入りたいのですか?

「だって、浅野君。ここで帰るのは男らしくないよね?」

「いや、男ならそういった話に首を……」

と俺の言葉には誰も耳を貸さず、3人ともすたすたと店の中へ入っていく。

 たまには人の話に耳を傾けてもらえませんかね?