というわけで村山の部屋に入ったんだが。
「なんで高校生の部屋に40型液晶テレビやらブルーレイレコーダーやらがあるんだ?」
俺の部屋には14型ブラウン管テレビと、ビデオデッキしかないんだが。
「お兄ちゃんの友達の彼女のお父さんが、大手電機メーカーに勤めているから、安く売ってもらえるんだ」
なんだよ、その友達の友達は皆タモリさん的な友達の輪は。
「はい、早く勉強するよ」
今日のあーちゃんは気合が入ってる。
「今日は文系から始めましょ。現国と社会、あと英語ね」
「三教科も? 無理じゃね?」
「何言ってんのよ。今日と明日しかないのよ。明日は数Ⅰと理科に時間割かないといけないんだし」
「そうだよ。浅野君は理系得意だからいいけど、私達は文系だから」
寺尾がそう言うと妹北田もうんうんと頷く。
「ってーと何か? 明日は俺1人でみんなに教えろ、と?」
またまた皆うんうん頷く。
いや、頷かれてもそれは無理だろ。
とにもかくにも始まった勉強会。
さすがに文系だというだけあって、みんな特に質問もせずに黙々と問題集を解いている。
まあせっかくの勉強会だし、俺も少しはやりますか。
まずは現国からだな。
問題は、次の状況に当てはまる四文字熟語を答えろ?
『ぐずぐずしていて決断の遅いこと。決断力に乏しいこと』
これは『村山光一』だな。
『自然のままで飾り気がなく、偽りのないさま。ありのままの真情が言動に現われること』
んーと、『寺尾由美』かな?
『人の言うことに耳を貸さない、心をとめないこと。また、何を言っても少しも反応がないたとえ』
これは『岬厚子』だ! あれ? これだと三文字だ。
あ、『あーちゃん』……これだと五文字。
「浅野君? ちゃんと解いてる?」
あーちゃんの一睨みがいつもにも増して鋭い。
「ちゃんとやらないと! また赤点だよ!」
くっ! それを言われると何も言い返せない。
仕方ない、ちょっと真面目にやろう。
