3人で陣地に戻る途中、女子のメドレーメンバーとすれ違い、鮎川はそのままコースへ向かった。
俺と西岡が陣地に着くと、寺尾がパタパタっと足音を立てながら寄ってきた。
走り方まで子供っぽいとかは思っても言わないでおこう。
「浅野君、純子ちゃんに会った?」
「ん? どうして?」
「なんかそんな気がしたから……」
何でラブコメのヒロインは、こういう事に感が冴えるんだろう……。
そのくせ、寺尾は自分の事には鈍感というか、理解力が足りない、というか。
「ああ、たしかに会ったがな。ちゃんと昨日の約束どおり、はっきり言っておいた」
そう言って寺尾の頭にポンと手を置く。
髪の毛、柔らかいな。
「よかった! じゃあリレー頑張ってね!」
「サンキュ! 寺尾もしっかり応援してくれよな」
「うん!」
「で? ラブラブタイムは終了か?」
後ろから兄北田の声。
「ラブラブって何すか!」
「えっと……あの……先輩も、頑張ってください!」
と寺尾はその場からまた、パタパタっと走っていく。
この辺は全く進歩しないんだな。
男子400mメドレーリレーのメンバーは、バックの近藤先輩、ブレストは朝倉先輩、バッタが兄北田、そんでもってフリーに俺。
昨日と同じく控のベンチ横から、女子メドレーリレーの様子を伺う。
女子は予選1組の6コース。フリーリレー同様、妥当な位置らしい。
女子のメドレーメンバーは、バックに鮎川、ブレストが伊藤部長、バッタには飯島先輩、締めのフリーは立花先輩。
ベストメンバーかどうかは、まああれだ。
専門選手が揃っていないんだから、そこにこだわる必要性は無いだろう。
