ブルー・フィールド

 
 買い出しを終え陣地に戻るが、俺の出番はまだまだ先。

 寺尾達の出場している個人種目を応援するが、長距離や個人メドレーにエントリー選手がいないから

「当然ながら我が水泳部の個人種目は午前で終了、と言う事ですね?」

 マネージャー業はきちんとやっている妹北田に念を押してみる。

「うん! あったりまえでしょ!」

 いや、そう元気に肯定しないでください。

 しかし見ているだけってのはこんなにも暇なのか。

 多分、中学一年の大会以来だな、個人種目が無いって言うのは。

「ね、浅野君。サブプール行かない?」

 おお? にぎやかし専門だった鮎川(女子一年・バック選手)が初めて普通の会話に登場した。

「変な注釈入れなくてもみんな覚えてるわよ!」

「いや、多分無理だと思う。作者もメモ見て思い出したらしいから」

 あ、膝抱えて落ち込み始めた。

「どーせ私なんか……」

「まあ気にするな。ところで話を続けないと折角の出番がなくなるぞ?」

「そうそう! 浅野君。バックのコーチしてよ。あと、さつきちゃんのバッタと」

 さつきちゃんって言うのは西岡……

「だから注釈はいいの! 行こ!」

 なんだなんだ? 鮎川&西岡コンビに強引に連れ去られているんだが。


「っていうか、西岡ってバッタになったのか?」

 初心者にバッタは酷だろう。

「でも、さつきちゃんがバッタ出来るようにならないと、メドレーがね」

 ああ、リレーでバッタをやっている飯島先輩も元々はフリー選手だしな。

 教え込んで使い物になるんなら、それに越した事は無いってか。

「さつきちゃんは身長もあるし、多分大丈夫だよ」

「身長とバッタの適正に、どのような因果関係があるんだ?」

「さあ? 先生が言ってたし」

 おいおい。他人事だからって適当すぎだろ。

「いいじゃん。浅野君も一応バッタやってるんだし。先輩に教えてもらうよりも気が楽だから、ね?」

 2人に拝まれると、まあこれを拒否るのは男としてどうよって感じなんで、一応引き受けるか。