「はーい、それじゃアップ行ってー」
藤木先生が指示を出すが……俺は今日はリレーだけ出し、まだここに居てもいいよな。
「浅野も行く!」
「え? だってリレーだけならまだ良いじゃないっすか」
「あれ? そうだっけ?」
それすら忘れてたんかい!
「じゃあ岬と一緒に買い出しに行ってきてくれる?」
「えー。買い出しですか? 暑いじゃないですか」
「つべこべ言わない!」
コワッ!
まったく。買ってこればいいんでしょ。下っ端一年は辛いよ。
「由美のこと、デートに誘ったんだ」
コンビニまでの道中、当然ながらあーちゃんは聞いてくる。
「デートって言うか、まあ遊びに行こうかってだけ」
「それをデートって言うんでしょうが。なんだかんだで浅野君もやる事やってるわね」
やる事って何だよ?
「でもあの様子だと、みんなで行く事になりそうだけど?」
「そこなんだよなあ。ってかさ、寺尾ってそもそもそういった面は奥手というか鈍いのか?」
「ん? 由美は……そうでもない……じゃないな。多分そうだね。中学の時も、ラブレター何通かもらってたけど、結局はみんなで、ってなってたから」
「えっと、それは健全なグループ交際を前提って事ですかね?」
「そうなるのかな? だから浅野君も、もっと積極的にならないと、由美を口説けないよ」
そんな難しい事を。そもそも俺だって恋愛経験があるわけじゃないんだし。
Lv1でムーンブルグの王女を探し出すようなものだ。
「っていうか、そんなにラブレターもらうほどモテたの?」
まあ基本可愛いから、特に思春期は見た目が一番重要視されるしな。
「ほら、由美ってどっちかって言うとロリ属性でしょ? うちの中学はロリコン妹萌えメガネっ子純情派が多かったから」
なにか複雑に絡みあった、危険な臭いのするネーミングセンスだ。
「ん? ちょっと待て。ってことはあーちゃんは俺の事を?」
「浅野君もロリ属性のメガネフェチでしょ?」
