今も後悔してない。

  口を閉ざしたこと…



「先生…怖い顔。」


「羚音…目が覚めたか?」


 城は、羚音に微笑んだ。
 羚音は、頷いた。


「…犯人の顔……見たか?」


「いいえ。」


「…そうか。
(本当は、知ってるだろう……?)」


 城は、羚音を見つめる。


「抱いて…先生……」


 手を伸ばして甘えてくる。城は、逆らえなかった。


「先生…スキ。」


 城は、そう囁く唇を塞ぐ。


「んぅ、んっ……」


「羚音…」


 曇った表情で自分に愛撫する城を見て羚音は、哀しかった。