何も知らなかった…
 狂気の愛さえも……



「みーおちゃん。」


 怪しい声が羚音を呼び止める。


「……。」


「やぁ、初めまして葉守見 羚音ちゃん。」


 目の前には、女生徒にいつも囲まれている生徒会長が立っていた。


「初めまして。」


 羚音が立って居たのは、たまたま生徒会室だった。


「棗のイトコなんだって?」


「はぁ…。
(何、この人。)」


 羚音は、一応笑顔を返す。


「ちょっと、話さない?」


 生徒会長・日下部(くさかべ ひじり)聖は、羚音を誘う。