「…何やってんだ、俺。」 城は、羚音の横になっていた自分のスーツの上着を抱きしめた。 「はは…いいモノが手に入った。」 少年は、言って去っていく。 教室での一部始終を見ていた。 これが…後の苦しみの種になる。 「ただいま―」 羚音は、玄関に入って声をかける。 「お帰りなさい、羚音。」 「遅かったな。」 母と棗に出迎えられてにっこり笑った。 「外部入学生だから…先生と色々話し込んだの。」 羚音は、言って中に入った。