「はい。」 出されたケーキと紅茶は、いい香りだった。 「いただきます。」 羚音は、嬉しかった。 母親に食べ物を貰った記憶のない羚音には、泪が出る程嬉しかった。 「みーお、大丈夫…お母さんいつもここに居るからね。」 椎は、にっこり笑って羚音に伝えた。 ・・・・ 「…お母さん……?」 「そう…私は、羚音のお母さん!」 羚音は、泣いた。 「あらあら。泣いたら可愛い顔が台なしよ。」 椎は、言って羚音の泪を拭いた。 「みーお、愛してるわよ。」