夜明けの音を聞いていた
鳥が鳴き、自動車の走る音が少しずつ大きくなっていく。
朝のテレビは憂鬱だ…
[それでは今日も一日]作った笑顔で映る人間が言うのは酷く滑稽だ。
私の欠けた部分を持っているのが如実に分かる。
それは妬みなどではなく、何故か私が急かされているように受け止める。
[早くこっちに来いよ…こっちの世界はいいぞ…いつまでそうしてるんだ…君が悪いんだよ…だから早くこっちに来るんだよ…]
[何も知らないのに…]
私は微かに部屋に漏れる夜明けの光を遮断した。