「もう一人しゃべんないよねぇ」
「ずっとケータイいじってる」
怜雄のことだ。
「あの二人は大切な時間を割くような
人たちだからやめたほうが良い」
私の意味深な言葉に百合が首をかしげた。
「誇叶、あの二人と知り合いなの?」
「知り合いってほどでもないけど
いきなり電話がかかってきた」
光りがなぜ?という顔をしている。
「まぁ、とにかくおススメはしない!」
そういうと、二人してそっかぁ、と
言う顔をした。
「元6-1男子ボロ負けだよ」
梨乃の一言で女子みんなが試合に集中した。
「ほんとだ」
ほとんど、海夢と多樹でプレイしている。
「幸希頑張ってー!」
真子が大きな声でさけんだ。
「おーう!」
遠くで幸希が手を振った。
「ラブラブー♪超うらやま」
「助けにいけ♪」
美優と光が真子を冷やかしてる。
「真子の分まで私が助けに行く」
私はスタスタとグラウンドに入る。
「お手伝い♪」
笑顔でそう言うと、
「よっしゃー!仲間一人増えたぞ!」
「ざまぁみろ!」
と、騒ぎ出す。
「え、ずるくね?」
「せこいぞ!」
優真と海夢がブーイングをする。
「私、ゴールのとこいるわあ」
そういい残して、ルールも何もない
サッカーに参加した。
手は使うし、敵の背中に飛びつくし、
ただ多樹だけはサッカーをしていた。


