｢ドラマ撮影、明日からやったっけ｣


｢うん｣


｢じゃあまた忙しいなるんか｣


そう言って残念そうなにするあらにぃ。


それをみて少し嬉しくなって笑ってしまった。


｢なんで嬉しそうなん｣


あらにぃは不満そうに眉間にしわを寄せて仏頂面になる。


｢だって、嬉しいもん。あらにぃが残念がってんの。また、ゆっくり出来る日はあるって｣


｢なるほど。そうだな｣


納得したようにポンポンと頭をなでるように叩く。


お母さんが入院した日、あの日にあらにぃがしてくれた『ヘッドぽん』(あたし命名)はあらにぃの癖みたい。


ことあるごとにポンポンって。


すっごく勇気をもらえる。明日からも頑張ろうって。


｢ふはぁ〜｣


あらにぃの膝にごろんと寝転がる。




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