車で一時間程走ると目的の場所に着いた。





「美雨、大丈夫か?」




『正直こわい…


あの場所に彼がいると思うと…

でも、行かなきゃ。』



「ここで待ってるぞ。

どうしても駄目だったら、大声で俺を呼べ。」



『…行ってきます。』








憲ちゃんから離れ、一人で歩く…





彼に近づくにつれ、

呼吸が早くなる。



手足が冷たい。


こわい。





この気持ちをまだうまくコントロール出来ない…。






彼の死に責任を感じながら

その反面、あの時の彼がフラッシュバックして恐怖心が私を支配する…




あと一歩…



あと一歩…





『…やっと…来れた。』