∞ 雪和 side ∞
どれくらい泣いてただろう……。気付けば窓の外は暗くなって、ドアの向こうからもお母さんの声はしなくなった。
ぼんやりと部屋を見回す。お母さんによって乱された机周辺。飾っていたぬいぐるみさえ、床に転がったままだ。
よろよろと立上がり、そのぬいぐるみをベッドに置き、掛け布団を被せる。
押し入れから、和紗とのお誕生日会で着ていく予定の服と靴、それとあらかじめ買っておいた、和紗に渡すプレゼントの袋を取り出す。
「待ってて、和紗。いま行くから」
プレゼントの袋を和紗に見立て、ぎゅっ、と抱き締める。
自分を信じてくれるのは和紗だけ……。私は親を捨てる覚悟を決めた。
全く物音がしない家の中。だけど下手にドアを開けてしまったら、お母さんに止められるかもしれない。
服を着替え、真新しいショートブーツを履く。カーテンをレールから外し、2枚のカーテンの端っこをヘアゴムで繋ぎ止める。
カーテン留めをベッドの枠に括りつけ、その端っことカーテンを縫い付ける。
「……出来た。これで、外に出られる」
どれくらい泣いてただろう……。気付けば窓の外は暗くなって、ドアの向こうからもお母さんの声はしなくなった。
ぼんやりと部屋を見回す。お母さんによって乱された机周辺。飾っていたぬいぐるみさえ、床に転がったままだ。
よろよろと立上がり、そのぬいぐるみをベッドに置き、掛け布団を被せる。
押し入れから、和紗とのお誕生日会で着ていく予定の服と靴、それとあらかじめ買っておいた、和紗に渡すプレゼントの袋を取り出す。
「待ってて、和紗。いま行くから」
プレゼントの袋を和紗に見立て、ぎゅっ、と抱き締める。
自分を信じてくれるのは和紗だけ……。私は親を捨てる覚悟を決めた。
全く物音がしない家の中。だけど下手にドアを開けてしまったら、お母さんに止められるかもしれない。
服を着替え、真新しいショートブーツを履く。カーテンをレールから外し、2枚のカーテンの端っこをヘアゴムで繋ぎ止める。
カーテン留めをベッドの枠に括りつけ、その端っことカーテンを縫い付ける。
「……出来た。これで、外に出られる」



