元々は親父がギター好きで、若い頃には趣味でバンド活動もしてたらしい。まだ俺が小学生ン時にねだっていっぺんだけ弾いてもらった事がある。
ギター弾いてる時の親父はめっちゃカッコ良くて俺もあんな風になりたい……って。
“俺もギター弾きたい”って言ったら、めっちゃ嬉しそうにしてくれた。のに……。
家、出てから今まで親父からもお袋からも電話は一切ない。
俺は、必要ないんか?親父にもお袋にも――必要とされてないんか……?
「……紗、和紗?」
「……え?」
「手ェ止まってるよ? どうかしたん?」
心配そうに覗きこむ雪和。いつの間にか考え事に気ィ取られて、手が止まってた。
「や、別に。それより……どやった?」
「うん! 和紗、凄いッ。ホンマに弾けるんやね」
「ホンマに……って」
……疑っとったんかい。
「和紗が作った曲とかないのん?」
「オリジナルか? まだそれは作ってへんな」
「作ってみたらいいやん。ほんで私に聞かせてッ!」
「聞かせてって……お前、曲とか簡単に出来る思てないか?」
「……無理、なん?」
ギター弾いてる時の親父はめっちゃカッコ良くて俺もあんな風になりたい……って。
“俺もギター弾きたい”って言ったら、めっちゃ嬉しそうにしてくれた。のに……。
家、出てから今まで親父からもお袋からも電話は一切ない。
俺は、必要ないんか?親父にもお袋にも――必要とされてないんか……?
「……紗、和紗?」
「……え?」
「手ェ止まってるよ? どうかしたん?」
心配そうに覗きこむ雪和。いつの間にか考え事に気ィ取られて、手が止まってた。
「や、別に。それより……どやった?」
「うん! 和紗、凄いッ。ホンマに弾けるんやね」
「ホンマに……って」
……疑っとったんかい。
「和紗が作った曲とかないのん?」
「オリジナルか? まだそれは作ってへんな」
「作ってみたらいいやん。ほんで私に聞かせてッ!」
「聞かせてって……お前、曲とか簡単に出来る思てないか?」
「……無理、なん?」



