bitter sweet

 ……相変わらず脳天気だし。

「和紗、悩みなんてないやろ?」

「そういうお前はいっつも悩んでる顔してんな」

「…………」

 見てない様で和紗はちゃんと私の事をよく見てる。

「いつまでサボり続けるつもりなんや? 逃げてるだけやったらいつまでも解決なんかせーへんぞ」

「わかってる! 何よ、偉そうに説教?」

「お前から勇気ださななんも変わらへん、ゆーてんねん」

 悔しいけど、和紗の言う事は間違ってない。いつまでたっても馴染もうとしない私にも問題はある。

「ぅあ~~ッ! 寒いッ!! 雪和(ゆきな)、行くぞ!」

「行く……って何処に?」

「どうせサボんねやったら、こんな吹きっさらしにおるより暖かい所に移動した方がエエやろ?」

「え……、だって今2時間目……」

「1時間サボんのも1日サボんのも変わらへんやろ? トロトロしとったら置いてくぞ!?」

 時々、和紗は私が思い付かないとんでもなく大胆な行動をする。

 転校初日にいきなりクラスの男子と喧嘩して、早速職員室に呼び出されてた事もあった。

 当の和紗は“俺は間違ってへん!”って言い張ってたけれど。