さして賑やかなものでもない。しかし絶えず会話が続く。
今までは食事中に両親と会話などすることがなかった。そもそも、両親と一緒に食事をすることがなかったから。
冷めたご飯を温める毎日。
今目の前にあるのは、出来たての温かい食事。作った人の心が表れている。
あまりにも温かくて、あたしはこの家で食事をすればするほど、自分が惨めに思えてくる。
今までで、最高の不相応の贅沢なのよ
きっとゆかはそう言う。
有らん限りの幸せを誰もが享受出来るとは限らない。
たぶん、あたしは、そんな幸せの一部を掴めたのだ。
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