「絵美ちゃんも、ケイも、私も、半分死んだって事になるのね。これでまた人間に戻れた。第二の人生がスタートね」

立ち上がって絵美の頭を『ご苦労様』と撫でる。

「さぁ、何も食べないで一日過ぎちゃったから、晩ご飯食べましょ?今日は盛大に、外食しましょう」

元気よく言って寝室へと向かい歩き出す薫。昔の服が着れるわ、と上機嫌だ。

「父上の服は地上では変だよ。父上の服を買わないと」

あたしも着替えてこようっ、と絵美もまた、上機嫌で二階へ上がって行った。

電気を付けるのを忘れていたわとバタバタしながらも笑顔で出掛ける準備をする薫と絵美。

そんな情景を横目に見ながらケイはずっと薄暗くなって来た空の奥を見つめていた。