《ガチャ!》


「メル姫様〜!この僕が、迎えに来ましたよ〜」


リビングには、父と母…そしてリーバとスイメが、椅子に座ってテレビを見ていた。

「あ…あれ?」
僕は、キョトンとして立ち止まった…


「あら…ルキト君、いらっしゃい」
母は、ニッコリと微笑む。

『ルキト兄さん〜』
双子達は、僕に向かって走り寄って来る。

「や…やぁ。リーバ君に、スイメちゃん…メルお姉ちゃんは、何処に居るのかな?…お散歩かな」


「ううん…メルお姉ちゃんは、好きな人の所へ行ったよ」


「好きな人の所?…まさか…!」
俺は、慌てて玄関へと向かおうとしたが、目の前には、父が立ち止まっている。


「オジ様!…よけて頂けませんか?」

「無理じゃ…ルキト君が、メルの所へ行くのを諦めるまでは…此処は通させないよ」