あなたとワタシ

「ごめんね。でも今回は、東宮会長からの直接の依頼だし、うちらにとっても良い話だからさ。」


「まぁ。そうだけどさ。とりあえず業務提携するってことで良いんだよな。姉貴。」

「うん。その方向でよろしく。向こうには準備でき次第連絡して貰うようにしてるから、よろしくね!今回も二人に全て任せるから♪」

「了解。向こうは誰が責任者なの?」

「東宮専務らしいわよ?」

「了解。何かあったらまた連絡するわ。」

「うん。よろしく!」

よし。これで東宮との提携の件は終ったし、書類処理に入りますか。
そう思って机に着くと、

「姉貴。今から全店舗エリア別会議だぜ。」

「そうなの?!」

最悪じゃん。それで柚のやつしつこく今日出勤しろって言った訳ね。

柚をギロッと睨むと

「言ったら来ないでしょ。」

「はい。そうですね。」

「一応今日はエリアトップマネージャーだけだから、顔出したら?」

基本的に私は会議には出席しない。
顔がバレると困るからだ。

何故かと言うと、私は会社を柚たちに任せて、店舗に潜入する。
やはりコンビにみたいに名前を貸して他の人たちに経営を任せているので、店舗数が多くなり、管理がなかなか行き届かなくなってしまって、会社を起したころは、大変だった。


クレームやあまり良い噂がない店舗、それから営業成績が、悪い店に新人として入店して改善をはかっている。

そのため柚や恭輔に経営に関しては全て任せている。

今日の全店舗エリア別会議は、全国のチェーン店を束ねているエリアトップマネージャーのみの会議らしい。

出たくないなぁ。
今日は店舗出勤もあるし…。
と思っていると
「今日はクレーム関連もあるから出なさい。」

と言う柚さんの低~い声が横から聞こえてきた。

「はい。出させて頂きます。」