星の瞬く時間に


公園の入口まで一緒に降りて
一旦立ち止まり、お互い向き合う。


「家どっち?送っちゃる!あ、でも
男に簡単家教えるのはいかんよな」


どうしよう、とあたふたしている
鼓を見ていると自然と笑いが込み上げる。


「あはは!別に鼓くんが怪しく見えるとは
思ってないけど、1人で帰れるから
大丈夫だよ。あたしの自転車漕ぐ
スピード見たやろ?」


冗談めかして笑いながらそう言えば、
鼓も笑いながら了承した。


「さあ、急いどるんやろ?
大丈夫やからはよ帰らんね」


「分かった。けど、その代わり
明日も晴れたら8時くらいから
吹いとるけん、来てばい!」


「えっ、いいの!?やったあ!
また聴きたいって思いよっ…」


私が喜びに目を輝かせていると、
その喜びを打ち砕くかのように
携帯電話から気の抜けるメロディが
流れ出した。


「着信が3分クッキングて!」


ぶはっと手で口を押さえて噴き出す鼓。

この人意外とツボ浅い。