はっとして目を開け、
視線を入口の奥の暗闇に向ける。

不思議と昨夜のような恐怖心はなく、
ただ純粋にこの綺麗な音の正体を
知りたいと思った。


気持ちを落ち着け、自転車を押して
坂道を登り始めた。

上に行くにつれて、メロディーが
はっきりと聞き取れるようになる。


綺麗な音…


優しい音色に心が癒されていく気がした。