何が危なくて
何がレツの車なら大丈夫なのか分からない。
私はしばらく白いソファーでもんもんと考えていると
鉄製のドアがゆっくり開いて男の子が中に入ってきた。
「暴走隊準備できたそうです」
「分かった。」
私の前に座っていたハルマが返事をすると、レツが静かに立ち上がった。
「行くぞ。」
「え…あ、うん」
レツが切れ長の目で一瞬だけ私を見ると開かれたままの扉から出ていく。
私もそれを追って少し小走りしようとすると、ハルマが私の腕を掴んだ。
ん?
「ジュンちゃん、多分大丈夫だとは思うけどレツのそばから離れないでね。」
ハルマが少し心配そうに笑うから、私も無言のまま分かったと意味をこめて小さく笑った。



