REAL HOPE Ⅰ




「……いるわけないか」



メールが送られてきたのは夕方の6時



そして今は夜の10時


いるわけがない。




1月の夜なんたあり得ないほど寒いし

何しろ今日は少し強めの雨が先ほどから降り始めた



もう信じないと決めたのに、何を期待しているのか


もしかしたらと思った自分に笑えた。




私はカーテンを閉めようとオレンジ色の布を握ると



家の前の街灯の下

暗闇と雨で視界が見えにくいけれど、




うっすらと見えるバイクの横にしゃがみこむ人影



何で…




何で…………