「なぁ、お艷」 「んー?」 「雪が降って来そうだなぁ」 「そーう?」 「お艷‥‥。お前のおっ母さんは雪のような人だった。純粋で真っ直ぐで、雪のような、何のくもりもない人だった‥‥。 お前はおっ母さんにそっくりなところがたくさんあるんだぞ」 「ほんとうに?」 「あぁ、本当だよ。お前はおっ母さんのことは覚えてねぇよなぁ。お艶はおっ母さんの生き写しみたいなんだぞ。お艶は覚えてねぇのか‥‥‥」