私はこのセーラー服が気に入っていたから別によかったけど、
椿はあまり好きではなかったはず。
「菫!
撮るよ、こっち向いてー
ハイ、チーズ!」
パシャッ!
これで卒業だと思うと、自然と柔らかい笑みが溢れた。
もしかしたら、ここで見せてきた笑顔の中で、
1番の笑顔かもしれない。
「椿ちゃんありがとぅ。」
遊茉が椿からカメラを受け取って早速写真を見せてくれた。
あまり思い入れのない校舎をバックに、
私達はここの人にはけして見せることの無かった顔で写っていた。
「そう言えば、
制服で写真撮ったことなかったよね。」
ふと思って言ってみた。
うん。
絶対に初めてだ。
今まで私服で写真やプリを撮ったことはあるけど
制服は初めてのはず。
「本当だ!
あたし達アルバムも大して載ってないし、
載っててもこんな顔じゃなかったよね。」
柴莉が感動したように言った。
