何度もカラダを繋げて重なり合ってきたけど、あの夜初めて本当の彼に触れた気がしていた。

 翔梧がいつもは見せないような、弱さや不器用さを感じた。

 彼のカラダのことならどんなことでも知ってる。

 でも
 私は本当に
 翔梧のことを
 何も知らない。

 一度も、本当の彼を見ようとしなかったから。