その、真っ直ぐ過ぎる問いかけに、ずっとかかっていた頭の中の靄が晴れていくのを感じた。
――あぁ、そうか。
私は、翔梧が好きなんだ。
その時、初めて素直にそう思えた。きっと、山内さんが私に想いを抱いてくれていたように。当たり前のような単純さで。私は翔梧に惹かれ、恋をして、好きで、好きで、彼が欲しくてたまらなかったんだ。
カラダだけじゃなくてココロも全部。
――そうなんだ……。
一度認めてしまったら、もう、後戻りはできない。どろどろとしたものが何処からか溢れだし、翔梧の全てが欲しいとカラダ中全てを埋め尽くす。
翔梧の目も、唇も、手も、声も、全部。私一人だけの物にしたいっ。
そう、想えば想う程翔梧を遠く感じた。