周りが動き出す。私にはスローモーションのように見えた。映画のワンシーンのように、美男美女が腕を絡ませてこっちへ向かって歩いてくる。 「沙耶ちゃん?」 山内さんが横断歩道の真ん中で立ち止まり続ける私の手を引いた。その時、確かに彼と目が合った。 ――翔梧……。 一瞬驚いたように見開いた瞳が私を映した。 「ショーゴォ?」 RINAの、甘えた声。歩きながら絡まり、二人の唇が重なっていく。 ーー見たくない! 頭よりカラダが拒絶する。信号が点滅する中、山内さんの手を振り切って私は逃げ出した。